栄養ドリンクやサプリメント、ビタミン剤にズラリと並ぶビタミン名。
何となくはわかるけど…詳しいことは…という方へ、
主要なビタミンを『何となくわかるけど…にちょっと毛が生えたレべル』で簡単にご紹介します!
目次
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは水に溶けやすいビタミンのことです。
ビタミンCとビタミンB群がそれにあたります。水に溶けやすいので、食品を茹でたり煮たりすると、水溶性ビタミンは茹で汁や煮汁に溶けだしてしまい、効率的に摂取できません。
大量に摂取しても、体内で吸収できない分は尿と一緒に体外へ出て行ってしまいます。朝・昼・夜など数回に分けてこまめに摂ると体内でうまく吸収されます。
ビタミンC(アスコルビン酸)
コラーゲンを作るために必要で、抗酸化作用もあり活性酸素を除去することから、美白やしみ・そばかすなど美容に良いとして古くから注目されてきました。
鉄やカルシウムと一緒に摂ると体内への吸収がよくなります。
喫煙される方は体内で消費されるビタミンCの量が多いので、特に意識して摂取しましょう。
しばしば鼻血や歯茎から血が出る方は、ビタミンCの摂取量が足りないことによってコラーゲンを体内で生成できず、コラーゲンが多く含まれている粘膜や血管を正常に維持できていないからかもしれません。
ビタミンCが足りなくなると皮膚や粘膜から出血したり、感染への抵抗力が少なくなる『壊血病』になりやすくなります。現代においてはそこまで壊血病の心配をする必要はなさそうです。
ビタミンB1(チアミン)
糖質(炭水化物等)をエネルギーに変えるのに必要なビタミンです。
神経の働きや皮膚、粘膜を正常に保つ働きもしてくれます。
不足すると疲れやすくなったり、疲れが取れなかったり、手足のしびれがでたり、大腸から脳へ便意の信号伝達が鈍くなり便秘になったりします(弛緩性便秘)。
深刻化すると『脚気(かっけ)』になりやすくなります。偏った食生活を自覚している方は特に注意が必要です。
ビタミンB2(リボフラビン)
主に脂質をエネルギーに変えるのを支えるビタミンです。
黄色い色がついていて、栄養ドリンク等を飲んだ後の尿がやたら黄色くなるのはビタミンB2が原因です。(健康に問題はありません)
成長の促進と皮膚や粘膜の保護に必要なので、不足すると肌荒れや口内炎、成長障害などが起こりやすくなります。
ビタミンB6(ピリドキシン)
某探偵マンガに出てきそうな名前ですが、小さくなったりはしません。
タンパク質をエネルギーに変えたり、筋肉や血液を作ったり、皮膚や粘膜を正常に保つために必要なビタミンです。
不足すると肌荒れや口内炎、皮膚炎、神経痛、湿疹などが起こりやすくなります。ビタミンB1、B2、B12と一緒に配合されることが多いです。
ビタミンB12(シアノコバラミン)
傷ついた神経を治したり正常に保つために必要なビタミンです。
赤い色をしています。不足すると葉酸の再生産がうまくできなくなり、悪性貧血になることがあります。葉酸と一緒に配合されることが多いです。
ビタミンB1、B2、B6の覚え方
ビタミンB1、B2、B6は登録販売者試験でも出題傾向にあります。
B1が代謝するのは糖質だっけ?脂質?B2は?B6は?といった具合にこんがらがってしまいがちです。語呂合わせで無理やり頭に詰め込みました。
どうしたのチリピリ
ビタミンB1,B2,B6の順に糖質、脂質、タンパク質の代謝に必要なので、
どう(糖質)し(脂質)た(タンパク質)
の
チ(チアミン)リ(リボフラビン)ピリ(ピリドキシン)
チリピリって何でしょうね…こじつけでも無理やり語呂と語感で覚えちゃうのが良いです!
脂溶性ビタミン
水溶性ビタミンとは異なり、油に溶けやすいビタミンです。
油を使って調理すると効率的に摂取できます。大量に摂取した場合、水溶性ビタミンのように尿と一緒に体外へ排出されないので過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンA(レチノール)
目や粘膜を正常に保つために必要なビタミンです。
ビタミンAが不足すると皮膚や粘膜が乾燥するため細菌やウィルスに感染しやすくなります。深刻化すると「夜盲症(とり目)」になることがあります。
特に、妊娠されている方は胎児に悪影響が出る可能性があるため、サプリメントや医薬品のビタミン剤を服用する際は細心の注意が必要です。
参考リンク
とりすぎに注意、ビタミンA(農林水産省)
ビタミンD
カルシウムやリンの吸収を助け、骨や歯の形成に必要なビタミンです。
血中のカルシウム濃度を高める作用があるので、カルシウムを摂っているのに不安・イライラ・不眠といった傾向のある方は、もしかするとビタミンDが不足しているかもしれません。
偏食しがちで、昼夜逆転やあまり外に出ない生活をしていませんか?ビタミンDは日光を浴びることで、ある程度自分で作り出すことができます。
日光浴をしましょう。不足すると『くる病』になることがあります。逆に過剰摂取すると『高カルシウム血症』や『腎障害』になることがありますのでサプリメント等を活用する際は注意が必要です。
ビタミンE(トコフェロール)
血流改善・抗酸化作用があるビタミンです。
肩こりや手足のしびれ、冷えなどの症状に効く医薬品に配合されていることが多いです。自律神経系に作用するγ-オリザノールと一緒に配合される場合もあります。
ビタミンE不足が深刻化すると感覚障害になることがあります。
ビタミンK
血液の凝固や骨の形成に必要なビタミンです。
食事で摂取するほかに、腸内細菌もビタミンKを作ってくれます。
不足すると青あざができやすくなったり、鼻血や歯ぐきから血が出たりしやすくなる等の『出血傾向』になることがあります。
脂溶性ビタミンの覚え方
脂溶性ビタミンの種類もまた、登録販売者試験の出題傾向にあります。これも無理やり語呂で覚えてしまいましょう!
AD行け!
ビタミンA、ビタミンD、い(ビタミンE)け(ビタミンK)
ビタミンBより覚えやすいですね!
まとめ
- 水溶性ビタミンはこまめに摂取する。
- 脂溶性ビタミンは体外へ排出されにくいので過剰摂取に注意する。
- 妊娠している方はビタミンAの過剰摂取に気を付ける。
- 規則正しい生活、食事を心がける。
- ビタミンBの語呂合わせはちょっと無理がある。
- ビタミンDの話は雑学として話のネタになりそう。
「どうしたの?眠そうな顔して、ちゃんと日光浴びてる?」というアプローチでビタミンDの知識をここぞとばかりに披露してみましょう!